まず、インストールが本当に必要かを判断する
通常のファイルを一度だけ変換するなら、ブラウザ版のほうが手早く済みます。ファイルを開き、変換後のMarkdownを確認して保存するだけです。
Agent Skillが役立つのは、CodexやClaude Codeがすでにそのファイルを使って作業している場合です。資料をMarkdown化し、文章を直し、別形式を生成し、出力を検証するところまで同じタスク内で進められます。
| 目的 | 向いている方法 |
|---|---|
| 単純なファイルを一度だけ変換 | ブラウザ版 |
| すぐに編集・プレビュー | ブラウザ版 |
| CodexやClaude Code内で繰り返し変換 | Agent Skill |
| PDF → Markdown → DOCXのような連続処理 | Agent Skill |
| 生成物の検証までエージェントに任せる | Agent Skill |
| 複雑なレイアウトを完全再現 | 元形式に対応した専用作業と目視確認 |
Markdownを編集用の中間形式として使う
Markdownは、見出し、段落、箇条書き、リンク、コード、単純な表を人にもエージェントにも読みやすい形で保持できます。そのため、元ファイルと最終成果物の間に置く作業形式として便利です。
一方で、PowerPointの配置やアニメーション、Wordの細かなページ設計、Excelの数式や書式までは表現できません。変換後のPPTXやDOCXはMarkdownから新しく作られる文書であり、元ファイルの外観を復元するものではありません。
見た目よりも内容を編集・再利用したいときに、この流れを選びます。
Markdown Converter Agent Skillを導入する
このSkillはAgent Skills形式に対応し、Codex、Claude Code、そのほかの互換クライアントで利用できます。Node.js 20以降が必要です。変換処理、OCR、対応する言語データ、フォント、レンダラー、出力検証ツールはリポジトリに同梱されています。
MARKDOWN_CONVERTER_DIRには、インストールされたSKILL.mdがあるフォルダーを指定します。現在の作業フォルダーがSkill本体だと決めつけないでください。
npx skills add agent-tools-lab/markdown-converter --skill markdown-converternode "$MARKDOWN_CONVERTER_DIR/scripts/runtime/convert.mjs" INPUT --to FORMAT -o OUTPUTテキストを選択できるPDFをMarkdownにする
PDFビューアーで文を選択できるなら、まず通常のテキスト抽出を使います。段落、見出し、箇条書きなどの手掛かりは残りやすい一方、段組み、複雑な表、数式、脚注、文字の位置は簡略化されることがあります。
特に複数段組みの資料では、変換後の読み順を本文と照合してください。
node "$MARKDOWN_CONVERTER_DIR/scripts/runtime/convert.mjs" report.pdf --to markdown -o report.mdreport.md — テキストレイヤーから作られた編集用下書き画像だけのページにはOCRを使う
紙をスキャンしたPDFは、画面では読めてもテキスト情報を持たないことがあります。Skillは利用できるテキストを先に抽出し、テキストレイヤーがないページだけにローカルOCRを適用します。
同梱モデルは英語、スペイン語、ドイツ語、日本語、中国語(簡体字)です。現在の上限は1ファイル30 MB、全100ページ、OCR対象20ページです。
OCR結果は必ず原稿と照合してください。固有名詞、日付、金額、句読点、見出し、表は誤認識が起きやすい部分です。手書き文字や複雑な表の完全復元は対象外です。
node "$MARKDOWN_CONVERTER_DIR/scripts/runtime/convert.mjs" scan.pdf --to markdown --ocr-language jpn -o scan.md人名・数字・日付・読み順・表| OCR言語 | コード |
|---|---|
| 英語 | eng |
| スペイン語 | spa |
| ドイツ語 | deu |
| 日本語 | jpn |
| 中国語(簡体字) | chi_sim |
Word文書を編集可能なMarkdownにする
文章中心のDOCXは変換に向いています。段落、見出し、リスト、リンク、単純な表はMarkdownに置き換えやすく、エージェントで修正しやすい下書きになります。
ページ配置、埋め込みメディア、コメント、変更履歴、マクロ、回り込み、フォント、余白は正確には引き継げません。デザイン自体が重要なら元のDOCXを残して、その形式で編集してください。
node "$MARKDOWN_CONVERTER_DIR/scripts/runtime/convert.mjs" report.docx --to markdown -o report.md見出し・リスト・表を確認してから編集または再出力Markdownから検索可能なPDFを作る
PDF出力は、各ページを画像にしたものではありません。対応文字を実際のテキストとして持つ新しいA4文書を生成するため、検索、選択、コピー、抽出ができます。
元のPDFからMarkdownを作った場合でも、元のページデザインが戻るわけではありません。完成物は、確認済みのMarkdownを新しく組版したPDFです。
node "$MARKDOWN_CONVERTER_DIR/scripts/runtime/convert.mjs" notes.md --to pdf -o notes.pdfnotes.pdfを開き、本文の一文を選択できるか確かめる対応形式の意味を取り違えない
Markdown以外の入力は、最初に編集可能なMarkdownへ変換されます。続けて別形式を指定した場合、その出力は元ファイルではなく中間のMarkdownから作られます。
JSON出力はMarkdownのトークン構造、Confluence出力は従来のWiki Markup、Notion出力はインポート向けMarkdownです。各サービスのAPI操作や最新エディターへの完全貼り付けを意味しません。
| 分類 | 例 | 主な制約 |
|---|---|---|
| 入力 | PDF、DOCX、XLSX/XLS、PPTX、HTML、TXT、CSV、JSON、XML | 内容と構造をMarkdown化し、レイアウトやアプリ固有機能は失われることがある |
| 文書 | PDF、DOCX、XLSX、PPTX、EPUB | Markdownから新しいファイルを生成する |
| 公開・テキスト | HTML、LaTeX、AsciiDoc、RTF、RST、Confluence、Notion、Reveal、WeChat | 出力先ごとに互換性の範囲が異なる |
| データ・画像 | CSV、トークンJSON、マインドマップJSON、PNG、JPG、Card | 元の構造が適切であることが必要。Cardは要約画像 |
生成したファイルを必ず検証する
コマンドが正常終了しても、内容まで正しいとは限りません。同梱の検証ツールを実行し、実際に使うアプリでも代表的な箇所を開いて確認します。
検証が失敗した場合は変換も失敗として扱います。元ファイルは上書きせず、出力は別のパスに保存してください。
- ファイルが存在し、空でなく、対象アプリで開けるか確認する。
- 元ファイルと見出しや段落をいくつか照合する。
- 日本語やその他の非ASCII文字が正しく表示されるか確認する。
- PDFでは本文の一文を選択または抽出する。
- OCRでは固有名詞、数字、見出し、段落をスキャン画像と比較する。
python3 "$MARKDOWN_CONVERTER_DIR/scripts/verify_output.py" notes.pdf --format pdf見出し・本文・リスト・表・リンク・日本語表示・テキスト抽出ローカル処理でも、形式変換には限界がある
生成物には製品ロゴ、透かし、宣伝用フッター、帰属リンク、製品名を示す隠しメタデータを追加しません。
ただし、ローカルで動くことと無劣化であることは別です。ページ設計、表計算の数式、コメント、変更履歴、アニメーション、発表者ノート、埋め込みメディア、数式、複雑な表が成果物の中心なら、元形式向けの作業手順を選んでください。
関連ツール
よくある質問
CodexでPDFをMarkdownに変換できますか?
できます。テキストPDFはローカル抽出を使い、画像だけのページは対応言語・容量・ページ数の範囲内でOCRを利用できます。
Claude Codeでも同じSkillを使えますか?
はい。Codex、Claude Code、Agent Skills形式に対応するクライアント向けの製品非依存Skillです。
すべてのPDFにOCRが必要ですか?
いいえ。利用できるテキストレイヤーがあるPDFは通常抽出を使います。OCRはテキストを持たない画像ページにだけ使います。
Word、Excel、PowerPointもMarkdownにできますか?
DOCX、XLSX/XLS、PPTXに対応しています。読み取れる内容と基本構造を残しますが、Officeのレイアウトや数式、アニメーション、メディアまでは再現しません。
MarkdownからWordやPowerPointを作り直せますか?
DOCXとPPTXへ出力できます。ただしMarkdownから生成した新規文書であり、以前の元ファイルを完全復元するものではありません。
生成したPDFの文字は検索できますか?
対応文字は検索・選択できます。PDFは実テキストを持ち、検証処理でも抽出可能な文字が空でないことを確認します。
ilovemd.netを使うほうがよいのはどんな場合ですか?
ブラウザで一度だけ変換、編集、プレビューしたい場合です。繰り返し処理や複数工程をエージェント内で続ける場合はSkillが向いています。
Markdown Converterはどこからインストールできますか?
https://github.com/agent-tools-lab/markdown-converter から npx skills add agent-tools-lab/markdown-converter --skill markdown-converter を実行してインストールできます。
